10数年前のこと。
秋田県の南の方にある、当時人口3万人くらいの湯沢市というところで、小さなライブイベントが発足した。
その名は「TEENAGE RIOT」。
主催は高3の頭でっかちなマセガキだった。
地元のライブ事情を(勝手に)嘆き、ムーブメントを起こそうと年相応の無駄に暑苦しい理念のもと、地元のやんちゃな大人たちと動き出した手作りライブイベントは、なんだかんだ8回続いた。
湯沢市近郊の音楽環境の変化や、マセガキがいつの間にか本当に大人になって、世間のなんだかんだに足を取られ腰が重くなったのを境に、そのイベントは自然消滅しかけていた。
2日後の1月8日、日曜。約10年ぶりに復活します。
何かを続けるということは、とんでもなくカロリーを消費する行為だ。
気持ちだけあっても続かないし、何か物理的な障害が出てきたりもする。
そのうち自分の気持ちが変わってしまうこともあるし、一緒にいる誰かの事情が変わってしまうこともある。
ガキの青臭い熱量だけでは、毎年続けることは難しくて。いつの間にやら「事情」やら「障害」が出てきて。
気づけばもう10年も経ってたんだなと。
人の縁は代謝していくもの。
距離が離れるとまたそれは加速してしまう。
でも出会いは繰り返すものでもあって、互いのタイミングが合い血管に血が流れると、時間の概念は途端に吹っ飛んで昨日まで会っていたかのようにいろんなものが蘇る。
夜な夜な10畳もないスタジオで練習して、冬なのに気合が入りすぎて結露した床ですっ転んだことを、思い出します。
最近は楽器を置いてしまっていた人も、久しぶりにリハビリしてステージに立つ。
日頃、ライブハウスで磨いている奴らも鼻息荒くやってくる。
カバーもあればオリジナルもある。
大人の学芸会のような日になるでしょう。
いいんです。大の大人が大人気なく本気になると、滑稽でかつものすごくかっこいいものが出来上がることを、俺は高校の時から知ってます。
その背中を追いかけてきたから。
ありがたいことに、LEMONsは大トリをやらせていただきます。
ならちゃんと2ピースでやっているこのバンドですが、今回は特別編成で。
もう脱退して4~5年になるんだけど、ベースは一生の盟友、幸喜。
ドラムは、18から三年間、一緒に川蝉をやっていたこもりーが叩いてくれます。こもりーとは、それこそ10年ぶりくらいのステージ。
ビックマフは三台と予備一台です。
バンドのライブは一年ぶりになりますが、1月の始めに一本目ってことは今年はいい感じなんでなかろうかと思ってたり。
どうぞよろしく。
今回はほぼ主催として動いてくれている、こいつも盟友の瑞穂。
やつが声をかけてくれなかったら、この節目のイベント復活はなかったでしょう。
なんだかんだ俺らも一周りして、きっとここから新しい流れが生まれていくんだろうなと、ぼんやり確信しています。
いろんなものが過ぎ去って、あれやこれやとなくなったもの、失ったものも多いですが。
残るもんは残るんです。やる前から実感している次第です。
ここからまた、何か始めましょう。年明けに景気良く、ぶち上げます。
どうぞよろしくお願いいたします。
TEENAGE RIOT代表、元マセガキ、絶賛現役中二病の和賀より、開幕のご挨拶でした。