そろそろ、売れない社会人バンドマンとして、10年以上バンドやってきて感じたことを発言していこうと思っている和賀です。
最近こんなこと書きました。
今日は、ちょっとぬるーーっと数字のことを考えてみたいと思います。
バンドで飯を食う。
バイトをやめて、バンドの収入だけで生活していく。
毎日、音楽に集中した日々を過ごす。
これは、世にあふれるバンドマンの夢、目標、だと思う。
でも、割と「じゃあどうすればいいんだろう」が抜け落ちている。のが常だと感じている。(自分も間違いなくそうだった。)
数字って、分かりやすいですよね。
「音楽だけで食えている」と言う状態は、一体どれくらいなもんなのかというのを、ざっくり計算してみたいと思うのですよ。
<都内近郊在住のバンドマンA君の生活費>
家賃 \45,000
光熱費 \10,000
通信費 \15,000 (携帯代とネット代という想定)
食費 \30,000 (一日\1,000の場合)
スタジオ代 \15,000 (一時間\2,500のスタジオで一回3時間を週二回、これを4週やって、バンド4人で割った場合)
交通費 \10,000 (目的地への往復を一回\700とし、スタジオ8回、ライブ2回 +αとして\3,000とした場合)
ライブ出演費 \4,000 (バンドで食えてるのでノルマは払っていないという計算。機材費のみ)
雑費 \21,000 (お小遣い含む)
————————————
合計 \150,000
数年前を思いだして今泣きそうなんですけど、まさにこんなかんじだったなぁ……。
これにノルマ入るし、お酒好きだし、全然足りなかった。
税金は? というツッコミ、ありがとうございます。
そう、それね。
……いれましょうか?
じゃあ、税金込で、バンドマンA君の月の必要経費は\200,000としましょう!!
バンドマンA君は、4人バンドを組んでいます。
彼らは現在、バンドでの収入しかないので、バンドの売上を折半して、生活費としている事になります。すると。
<都内近郊で活動する、バンド∀の必要収入>
\200,000 × 4(人) ×12(ヶ月) = \9,600,000
約一千万……。
小さい会社レベルですね。
よく考えたら、大人4人食べていくって、そういうことなんですけどね。
これを何で稼ぐかって話なんですけど。
とりあえずCD売ってみましょう。
バンド∀はインディーズバンド。メジャー流通はかけてません。すべて手売りで頑張ってみます。
<バンド∀が1,500円の自主制作CDの売上だけで生活する場合>
\9,600,000 ÷ \1,500 =6,400(枚)
月533枚ペースで売らないといけないようです。
値段上げてみましょうか?
<バンド∀が2,000円の自主制作CDの売上だけで生活する場合>
\9,600,000 ÷ \2,000 =4,800(枚)
月400枚ペースですね。
ライブが2回だとしても一回200枚売らないといけません。
これは通販とか考えたほうがいいですね。
でもバンドって、物販もあるよね!
よくツアーバンドはTシャツを売ってツアーを回るという言葉もありますから。
じゃあ、年間の打上げの1/3くらいはTシャツで行きましょう。
ライブにTシャツ着てきてくれたら嬉しいもんね。
<バンド∀が2,000円のTシャツで年間の売上の1/3を埋める場合>
\9,600,000 ÷ 3 ÷ \2,000 = 1600(枚)
月133枚ペースで売らないといけません。Tシャツ屋できそう。
これ、ライブハウス全員がバンド∀のTシャツを着ているという事案が発生しますね。それってワンマンなのでは。
忘れちゃいけない。ライブってギャラがもらえるんでしょう!?
……これに関してはまた別の機会に詳しく語るとして、もらいましょう、ギャラ。
チケット1枚目から50%バックしてくれるライブハウスに出演することにします。あんまないけど。
この売上も、年間の1/3くらいいきたいですよね。
<バンド∀が2,000円のチケットのバックで年間の売上の1/3を埋める場合>
(\9,600,000 ÷ 3) ÷ (\2,000 × 0.5) = 3,200(人)
月266人ペース。
ワンマン二回やってしっかりどちらも埋めるイメージですかね? すごい、売れてる。バンドで飯食うってそういうことになるんですね!
そしたらさっきのTシャツ話も現実味を帯びてきますね。
というところで、2/3はTシャツと動員で埋めれたわけなので、改めてCDを考えてみましょうか。
<バンド∀が1,500円の自主制作CDで年間の売上の1/3を埋める場合>
\9,600,000 ÷ 3 ÷ \1,500 = 2133(枚)
月177枚ペース!
さっきよりは全然現実的ですね!!
以上です。
表題の通りぬるーい計算なので、音源や物販を作る経費は含まれてないし、ワンマンをやるにしてもハコ代かかるしね。
フライヤー刷ったり、撮影したり、HP発注したり……なんてその辺もまーったく考えてません。
あと、飲み代が、足りない。
ただただ、ざっくり計算しただけ。
でも数字にしてみると、分かりますね。
現状と比較できると思います。
さて、どれくらい達成できてますか!?
LEMONsは全ッ然ですよ!?
なので我々は、社会人バンドマンの道を粛々と歩んでおります。
一体どれくらい売ればいいのか、一体どれくらい呼べばいいのか。
あんまり考えたことなかったのなら、一回計算してみるといいかも?
バイト辞めれる日が近づくかもしれませんよ。
※尚、登場しているバンドマンA君とバンド∀は架空の存在です。実際に存在するAと言う名前のバンドマンと、あるかもしれないバンド∀とは関係ありませんので、あしからず!
こんばんは。たまたま検索から漂流してきました。
もぐらと言います。私も定職につきながら趣味でバンドをしていますが、こちらの記事をとても面白く読ませていただきました。
意外や意外、この現実を現実と捉えていないバンドマンが多いように思います。
読んでいる途中で、バンドだけでやっていく無謀さに笑いそうにすらなりました。
お気に入りさせていただきました^ ^